気まぐれにNL・BLetc.健全から危ないモノまで。
今のとこメインはDMCとTOA。
気まぐれblogを撤去しようかと思います。
確かにblogって便利なんですが、検索に沢山引っ掛かってしまうので…〓
撤去する場合はまたお知らせします。
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DMCカテゴリーの小説についてお知らせです。
このたび、DMCサイトを立ち上げました。
すでにサーチ登録はされておりますので、探してみてください。
なお、小説の方はサイトの方に順次移動しておりますので、なにとぞご理解のほどよろしくお願いします。
なお、ここからリンクは貼らないつもりですのでご了承ください。
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「ルーク・フォン・ファブレ、お前らが誘拐に失敗したルーク様だよ」
タルタロスの一室で、ルークはどっかり椅子に座って話し出した。ルーク護送中、近くにいなかったアニスはルークが公爵子息だと知り、はしゃいでいるが、一方ジェイドは精神的に疲れているのかぐったりしている。
「俺の地位がいるんだろ?協力してやるよ」
ルークは不敵に笑い、ジェイドは苦笑いを浮かべる。その前になんで説明もしていないのにこんな事を言うのかジェイドにはさっぱり解らない。
「ピオニー陛下の懐刀が戦争でも無いのにこんなとこにいるなんておかしいだろ」
「それもそうね」
「ルーク様ってば、あったまいぃ!」
ティアはルークに同意する。アニスはきゃいきゃいはしゃぎ過ぎだ。
「キムラスカに和平の親書を届けに来たんですよ」
「伯父上に取り次げばいいんだな」
「お願いします」
「へいへい」
ルークはやる気なさ気にジェイドに返事する。その時キーンと耳鳴りがした。回線が繋がる時の頭痛は無くなったが、繋がる瞬間の耳鳴りだけは消えなかった。まぁこれはこれで使えるが。
『もうすぐタルタロスを強襲する、どじるなよ?』
『わかってるよ』
ルークはアッシュに返事をすると風に当たると言って外に出たイオンを追った。
「うわー…すげぇ数」
外に既にイオンの姿はなく、連れ去られた後のようだった。タルタロスの上空には無数のグリフィンが飛んでおりライガがその背に乗っている。
「さて、と中戻るか」
まずはラルゴを探して封印術を壊さなければならない。封印術にかかったジェイドなんて唯の陰険なおっさんである。恐らくラルゴはまだだろう。中に戻るとタルタロスが大きく揺れた。ジェイドがブリッジと連絡をとると巨大な鎌が襲ってきた。
「大人しくしていて貰おうか」
ジェイドの槍が信託の盾兵をなぐ。出口を塞いで笑っていたのはラルゴだった。ラルゴはルークを一瞥するとジェイドに視線を戻し、封印術を取り出した。ルークがポケットを漁っているのに気付かず。ラルゴが軽く封印術を投げる。ジェイドに当たるかと思われたそれは思わぬ物で軌道を反らされ床に転がった。
「大当りぃ~♪」
ラルゴが驚いてルークと床に転がる封印術を交互に見る。封印術には万年筆が突き刺さっていた。ルークがダーツの要領で投げて当てたのだ。
「貴様ぁっ!」
「よっ、と」
ラルゴがルークに振りかぶる。ルークは軽々とそれを避けると、ラルゴの腹に飛び蹴りを喰らわせた。そしてよろけたラルゴの頭にネリチャギ。そして小声で、ラルゴだけに聞こえるように呟く。
「ナタリア泣かすような事すんな」
「!」
ラルゴは薄れゆく意識の中ルークの言葉を聞いていた。
「ルーク、怪我はない!?」
「大丈夫だっつーの」
床に転がった封印術をとどめとといわんばかりに万年筆を抜いてから踏み付けた。どうやらペン先は無事のようである。
「ジェイド、この様子じゃどうせブリッジ乗っとられてるだろうし、緊急停止でもすれば?」
「やれやれ、なんでもお見通しですか」
「死霊使いジェイドが何にもしてないなんて思わねぇよ、フツー」
ジェイドは溜息をつきながら近くの無線を取る。こう先に先に読まれると、こうも疲れるのかと思いながら緊急停止の指示を出した。
タルタロスの全動力が停止し、とまる。ルークは少しおろおろしているティアの手を引きながらタルタロスの外へと出るのであった。
Next→ブーブラス川~カイツール
〈ガイ様華麗に参上?編〉
ルーク達が外に出るとリグレットがイオンを連れて戻ってきた所だった。ジェイドがリグレットの首筋に槍を向け、リグレットの武器を蹴り飛ばす。
「やっと出られた…」
アリエッタのライガがルークに襲い掛かろうとしたが止まった。ルークから一歩一歩後ずさりしていく。
「?」
その様子にアリエッタは首を傾げる。ライガはルークに対して怯えと、疑惑を抱いているらしい。取り押さえられたままのティアとジェイドはリグレットの真上に人が落ちてくるのをそのまま見ることになってしまった。
「ガイ様華麗に参上」
「ガイ、遅い」
「ルーク…第一声がそれか…」
イオンを奪還してルークの後ろに隠そうとしたガイはルークの姿が既にそこにないことに気付く。
「民間人に助けられるなんて、軍人の名折れじゃねぇの?」
「あはははは、その軍人以上に戦い慣れてる民間人に言われたくないですねぇ」
「…ジェイド、それでは負け惜しみのようですよ」
イオンが思わず突っ込んだ頃にはリグレットもアリエッタもその他の信託の盾兵もルークによって昏倒させられ、怯えたライガの背に乗せられ、タルタロスの中に戻されていた。
「ガイの登場、霞んだな…」
たまたま上から覗いていたアッシュは溜息と共に一カ所に纏めたマルクト兵士達をセントビナーで降ろす準備を始めたのだった。
・ルークにダメだしされるガイ様でした。
タルタロスの一室で、ルークはどっかり椅子に座って話し出した。ルーク護送中、近くにいなかったアニスはルークが公爵子息だと知り、はしゃいでいるが、一方ジェイドは精神的に疲れているのかぐったりしている。
「俺の地位がいるんだろ?協力してやるよ」
ルークは不敵に笑い、ジェイドは苦笑いを浮かべる。その前になんで説明もしていないのにこんな事を言うのかジェイドにはさっぱり解らない。
「ピオニー陛下の懐刀が戦争でも無いのにこんなとこにいるなんておかしいだろ」
「それもそうね」
「ルーク様ってば、あったまいぃ!」
ティアはルークに同意する。アニスはきゃいきゃいはしゃぎ過ぎだ。
「キムラスカに和平の親書を届けに来たんですよ」
「伯父上に取り次げばいいんだな」
「お願いします」
「へいへい」
ルークはやる気なさ気にジェイドに返事する。その時キーンと耳鳴りがした。回線が繋がる時の頭痛は無くなったが、繋がる瞬間の耳鳴りだけは消えなかった。まぁこれはこれで使えるが。
『もうすぐタルタロスを強襲する、どじるなよ?』
『わかってるよ』
ルークはアッシュに返事をすると風に当たると言って外に出たイオンを追った。
「うわー…すげぇ数」
外に既にイオンの姿はなく、連れ去られた後のようだった。タルタロスの上空には無数のグリフィンが飛んでおりライガがその背に乗っている。
「さて、と中戻るか」
まずはラルゴを探して封印術を壊さなければならない。封印術にかかったジェイドなんて唯の陰険なおっさんである。恐らくラルゴはまだだろう。中に戻るとタルタロスが大きく揺れた。ジェイドがブリッジと連絡をとると巨大な鎌が襲ってきた。
「大人しくしていて貰おうか」
ジェイドの槍が信託の盾兵をなぐ。出口を塞いで笑っていたのはラルゴだった。ラルゴはルークを一瞥するとジェイドに視線を戻し、封印術を取り出した。ルークがポケットを漁っているのに気付かず。ラルゴが軽く封印術を投げる。ジェイドに当たるかと思われたそれは思わぬ物で軌道を反らされ床に転がった。
「大当りぃ~♪」
ラルゴが驚いてルークと床に転がる封印術を交互に見る。封印術には万年筆が突き刺さっていた。ルークがダーツの要領で投げて当てたのだ。
「貴様ぁっ!」
「よっ、と」
ラルゴがルークに振りかぶる。ルークは軽々とそれを避けると、ラルゴの腹に飛び蹴りを喰らわせた。そしてよろけたラルゴの頭にネリチャギ。そして小声で、ラルゴだけに聞こえるように呟く。
「ナタリア泣かすような事すんな」
「!」
ラルゴは薄れゆく意識の中ルークの言葉を聞いていた。
「ルーク、怪我はない!?」
「大丈夫だっつーの」
床に転がった封印術をとどめとといわんばかりに万年筆を抜いてから踏み付けた。どうやらペン先は無事のようである。
「ジェイド、この様子じゃどうせブリッジ乗っとられてるだろうし、緊急停止でもすれば?」
「やれやれ、なんでもお見通しですか」
「死霊使いジェイドが何にもしてないなんて思わねぇよ、フツー」
ジェイドは溜息をつきながら近くの無線を取る。こう先に先に読まれると、こうも疲れるのかと思いながら緊急停止の指示を出した。
タルタロスの全動力が停止し、とまる。ルークは少しおろおろしているティアの手を引きながらタルタロスの外へと出るのであった。
Next→ブーブラス川~カイツール
〈ガイ様華麗に参上?編〉
ルーク達が外に出るとリグレットがイオンを連れて戻ってきた所だった。ジェイドがリグレットの首筋に槍を向け、リグレットの武器を蹴り飛ばす。
「やっと出られた…」
アリエッタのライガがルークに襲い掛かろうとしたが止まった。ルークから一歩一歩後ずさりしていく。
「?」
その様子にアリエッタは首を傾げる。ライガはルークに対して怯えと、疑惑を抱いているらしい。取り押さえられたままのティアとジェイドはリグレットの真上に人が落ちてくるのをそのまま見ることになってしまった。
「ガイ様華麗に参上」
「ガイ、遅い」
「ルーク…第一声がそれか…」
イオンを奪還してルークの後ろに隠そうとしたガイはルークの姿が既にそこにないことに気付く。
「民間人に助けられるなんて、軍人の名折れじゃねぇの?」
「あはははは、その軍人以上に戦い慣れてる民間人に言われたくないですねぇ」
「…ジェイド、それでは負け惜しみのようですよ」
イオンが思わず突っ込んだ頃にはリグレットもアリエッタもその他の信託の盾兵もルークによって昏倒させられ、怯えたライガの背に乗せられ、タルタロスの中に戻されていた。
「ガイの登場、霞んだな…」
たまたま上から覗いていたアッシュは溜息と共に一カ所に纏めたマルクト兵士達をセントビナーで降ろす準備を始めたのだった。
・ルークにダメだしされるガイ様でした。
いつも御愛顧ありがとうございます。
管理人の綺羅和姫です。
この度、サイトを閉鎖・移転する運びになったことをお知らせします。
現在、サイトを新設中ですので興味のある方はこの記事にその旨と連絡先を書いていただければ、後日サイトURLを送らせていただきます。
このblogは暫くそのままにしておくつもりですが、今以上に亀更新になると思われますのでご了承ください。
管理人の綺羅和姫です。
この度、サイトを閉鎖・移転する運びになったことをお知らせします。
現在、サイトを新設中ですので興味のある方はこの記事にその旨と連絡先を書いていただければ、後日サイトURLを送らせていただきます。
このblogは暫くそのままにしておくつもりですが、今以上に亀更新になると思われますのでご了承ください。
イオンは歩いていた。信託の盾の軍服をきて長閑な田園地帯を。
「カンタビレはいつもこんなところに来ているんですか?」
「うん。あとは大発生したイナゴの退治とかね」
「結構どうでもいいことばっかりですね」
前を歩くのはカンタビレだ。人通りの全くない道を二人は歩いていく。
「イオン様は演技派だよねぇ」
「そうですか?」
「うん。現にモース簡単に騙されてたし」
レプリカイオンとすりかわる為にイオンは死んだふりの演技をしたのだ。葬儀はひっそりと行われたため知る人の方が少ない。
「貴方の人の掠いかたも見事でしたよ」
「まぁ、擬似超振動利用しただけだけどね」
カンタビレが笑うとイオンも笑う。
「外はこんなに広いんですね」
「そうだよ。広すぎて迷子になるくらいにねー」
「あははは、そうですね」
二人は笑っていた。笑って延々と続く畦道を歩いていくのだった。暫く二人旅は続きそうである。
・一挙に二話…それにしてもイナゴって…
「カンタビレはいつもこんなところに来ているんですか?」
「うん。あとは大発生したイナゴの退治とかね」
「結構どうでもいいことばっかりですね」
前を歩くのはカンタビレだ。人通りの全くない道を二人は歩いていく。
「イオン様は演技派だよねぇ」
「そうですか?」
「うん。現にモース簡単に騙されてたし」
レプリカイオンとすりかわる為にイオンは死んだふりの演技をしたのだ。葬儀はひっそりと行われたため知る人の方が少ない。
「貴方の人の掠いかたも見事でしたよ」
「まぁ、擬似超振動利用しただけだけどね」
カンタビレが笑うとイオンも笑う。
「外はこんなに広いんですね」
「そうだよ。広すぎて迷子になるくらいにねー」
「あははは、そうですね」
二人は笑っていた。笑って延々と続く畦道を歩いていくのだった。暫く二人旅は続きそうである。
・一挙に二話…それにしてもイナゴって…
「ですのー」
「…うぜぇ…」
ルークは思わず呟いた。ミュウが火を吹くお陰で難無く川は渡れるが、やっぱりなんか欝陶しい気がする。
「ですのー」
「お前、少し黙れ」
「みゅうぅ~」
ルークは溜息を吐いてミュウをティアに持たせる。
「えっ?」
「実はこういうの好きだろ?」
「う……ぅん//////」
「俺的にはイオンの方が癒される」
「僕がですか?」
イオンはきょとんとしながら聞く。勿論ルークが比べているのは、イオンとミュウではなくイオンとオリジナルイオンだが二人は気付かない。
「ここか?」
「そのようですね」
えぐれたような木の根の穴をルークが先頭で歩いていく。ライガクィーンの気遣いだろうか?魔物はいなかった。
「あ、記憶陣」
「あれには回復効果があるわ」
ティアが説明すると、ルークはほぇーと関心するそぶりを見せる。そんなルークを見ながらティアは可愛いと一人心の中で悶えていた。更に奥に進むと、ライガクィーンが待ち構えていた。
「…話し合う余地なしってか?」
ルークが呟くとライガクィーンが吠え、岩が落下してくる。ルークはそれを剣で弾くと、イオンを庇う。
「戦いましょう」
「それしかねぇな、ミュウ、お前はさがってろ」
ルークにしたがい、ミュウはイオンと共に下がる。ルークはライガクィーンに向かって駆け出した。ティアやイオンにばれないように詠唱する。いくらライガクィーンでもルークにはあっさり負けてしまうから解らないように回復をかけているのだ。ジェイドが来たら倒れたふりをしてもらう為に攻撃の際、ライガクィーンに囁きながら。
「くっ、強い」
「苦戦してるみたいですね」
「誰!?」
「詮索は後にしてください、貴方がたは援護をお願いします」
「わかった」
ジェイドがライガクィーンに攻撃を仕掛ける。どさりとライガクィーンの体が横たわった。
「やった…」
「イオン様、勝手に行かれては困ります」
「すみません、ジェイド」
イオンがジェイドに謝るとジェイドはへらりと笑っていた。正直不気味である。
「では、戻りますか」
「チーグルの長老に報告行ってからだ」
「そうね、ミュウ」
「はいですの」
ミュウが喋ったことに驚いたのか、ジェイドは少し眼鏡が擦れていた。ルークはそれを見て笑いそうになるが堪えた。
……………………………………………………
チーグルの長老への報告もすみ、ミュウを連れていくことになったが、ルークはイオンに先に行っててくれと言い残し、ジェイドやティアにばれないように離脱した。
「ライガクィーン」
巣に戻って見ると、やはりジェイドの攻撃は痛手だったのか傷付いて動けないでいるライガクィーンがいた。卵は孵化したようで、仔ライガがライガクィーンの廻りで心配そうに寄り添っていた。
「今治しますね?」
ルークはもしジェイド達が追って来てもルークが譜術を使えるとばれないようにグレースの姿でライガクィーンの元を訪れていた。
「口が悪くてびっくりしたでしょう?実はあれが素なんですよ」
ライガクィーンは気にしてないとでも言うようにルークに頬を擦り付ける。仔ライガもルークにライガクィーンが懐いている様子を見て足元でじゃれていた。
「行ってください、あの軍人が戻ってきたら今度こそ殺されかねない」
ライガクィーンは仔ライガを引き連れてキノコロードの方へと駆けて行った。
「さて、これをこうして…」
拾って来た太めの枝で十字架を作り立てた。仮面を外し、ルークの姿に戻る。髪を上げてかつらをかぶって固定し、ルークはそこを後にした。
「ルーク、勝手にいなくならないで」
「ティア」
ライガの巣の入り口から出てくると息を切らしたティアが立っていた。どうやら探し回ったらしい。イオンは言わなかったようだ。
「ごめん」
「何してたの?」
「墓立ててた。簡単なやつだけど」
そこにマルクト兵士を数人引き連れたジェイドがやってくる。
「貴方たちの身柄を拘束させていただきます」
「へいへい。行こうぜ、ティア」
まるでこうなることを知っていたかのようなルークはジェイドの後を素直について行った。因みにタルタロスまでの道程の間でジェイドはルークの腹黒さを痛いほど痛感させられ、マルクト兵士は気まずさでカチコチになりながら護送をしていたのだった。
Next→タルタロス
・更新かなり久々だなぁ…
「…うぜぇ…」
ルークは思わず呟いた。ミュウが火を吹くお陰で難無く川は渡れるが、やっぱりなんか欝陶しい気がする。
「ですのー」
「お前、少し黙れ」
「みゅうぅ~」
ルークは溜息を吐いてミュウをティアに持たせる。
「えっ?」
「実はこういうの好きだろ?」
「う……ぅん//////」
「俺的にはイオンの方が癒される」
「僕がですか?」
イオンはきょとんとしながら聞く。勿論ルークが比べているのは、イオンとミュウではなくイオンとオリジナルイオンだが二人は気付かない。
「ここか?」
「そのようですね」
えぐれたような木の根の穴をルークが先頭で歩いていく。ライガクィーンの気遣いだろうか?魔物はいなかった。
「あ、記憶陣」
「あれには回復効果があるわ」
ティアが説明すると、ルークはほぇーと関心するそぶりを見せる。そんなルークを見ながらティアは可愛いと一人心の中で悶えていた。更に奥に進むと、ライガクィーンが待ち構えていた。
「…話し合う余地なしってか?」
ルークが呟くとライガクィーンが吠え、岩が落下してくる。ルークはそれを剣で弾くと、イオンを庇う。
「戦いましょう」
「それしかねぇな、ミュウ、お前はさがってろ」
ルークにしたがい、ミュウはイオンと共に下がる。ルークはライガクィーンに向かって駆け出した。ティアやイオンにばれないように詠唱する。いくらライガクィーンでもルークにはあっさり負けてしまうから解らないように回復をかけているのだ。ジェイドが来たら倒れたふりをしてもらう為に攻撃の際、ライガクィーンに囁きながら。
「くっ、強い」
「苦戦してるみたいですね」
「誰!?」
「詮索は後にしてください、貴方がたは援護をお願いします」
「わかった」
ジェイドがライガクィーンに攻撃を仕掛ける。どさりとライガクィーンの体が横たわった。
「やった…」
「イオン様、勝手に行かれては困ります」
「すみません、ジェイド」
イオンがジェイドに謝るとジェイドはへらりと笑っていた。正直不気味である。
「では、戻りますか」
「チーグルの長老に報告行ってからだ」
「そうね、ミュウ」
「はいですの」
ミュウが喋ったことに驚いたのか、ジェイドは少し眼鏡が擦れていた。ルークはそれを見て笑いそうになるが堪えた。
……………………………………………………
チーグルの長老への報告もすみ、ミュウを連れていくことになったが、ルークはイオンに先に行っててくれと言い残し、ジェイドやティアにばれないように離脱した。
「ライガクィーン」
巣に戻って見ると、やはりジェイドの攻撃は痛手だったのか傷付いて動けないでいるライガクィーンがいた。卵は孵化したようで、仔ライガがライガクィーンの廻りで心配そうに寄り添っていた。
「今治しますね?」
ルークはもしジェイド達が追って来てもルークが譜術を使えるとばれないようにグレースの姿でライガクィーンの元を訪れていた。
「口が悪くてびっくりしたでしょう?実はあれが素なんですよ」
ライガクィーンは気にしてないとでも言うようにルークに頬を擦り付ける。仔ライガもルークにライガクィーンが懐いている様子を見て足元でじゃれていた。
「行ってください、あの軍人が戻ってきたら今度こそ殺されかねない」
ライガクィーンは仔ライガを引き連れてキノコロードの方へと駆けて行った。
「さて、これをこうして…」
拾って来た太めの枝で十字架を作り立てた。仮面を外し、ルークの姿に戻る。髪を上げてかつらをかぶって固定し、ルークはそこを後にした。
「ルーク、勝手にいなくならないで」
「ティア」
ライガの巣の入り口から出てくると息を切らしたティアが立っていた。どうやら探し回ったらしい。イオンは言わなかったようだ。
「ごめん」
「何してたの?」
「墓立ててた。簡単なやつだけど」
そこにマルクト兵士を数人引き連れたジェイドがやってくる。
「貴方たちの身柄を拘束させていただきます」
「へいへい。行こうぜ、ティア」
まるでこうなることを知っていたかのようなルークはジェイドの後を素直について行った。因みにタルタロスまでの道程の間でジェイドはルークの腹黒さを痛いほど痛感させられ、マルクト兵士は気まずさでカチコチになりながら護送をしていたのだった。
Next→タルタロス
・更新かなり久々だなぁ…