気まぐれにNL・BLetc.健全から危ないモノまで。
今のとこメインはDMCとTOA。
トゥエ レイ ズェ クロア リュオ トゥエ ズェ
「ようやく見つけた、裏切り者ヴァンデスデルカ」
柔らかな歌声と共に現れた少女にルークは心を踊らせた。
「やはりお前か!ティア!」
ヴァンの叫ぶ声がする。ヴァンにとって彼女の登場は本当に予想外だったのだろう。ルークは心の中で少し笑って謝った。巻き込んでごめんねと。
「なんなんだよ、お前はぁーっ!」
「いかん、ティア、ルーク!」
「これは第七音素!?」
キーンという耳鳴り。ルークはローレライの力を感じた。意識が消える。次に目覚めるのはきっとタタル渓谷だ。
……………………………………………………
「ルーク、ルーク起きて」
ルークはティアに呼ばれ目を覚ました。夜の渓谷はセレニアの花が咲き誇っていて綺麗だ。
「大丈夫?怪我はない?」
「大丈夫だ、ここは?」
「ごめんなさい、わからないの」
「ティアのせいじゃないよ」
ルークは微笑んで言うが、ティアはびっくりしたようだ。
「なんで私の名前…」
「師匠が叫んでたし…」
「あぁ…それで」
ティアは納得したようで、ルークに手を貸して立ち上がらせる。
「っと、ありがとうティア」
「どう…いたしまして」
笑うルークにティアの顔は真っ赤だ。可愛いなぁ、初々しくてとルークはますます笑う。
「海沿いに行ったらバチカル帰れるかな?」
「そうね…でも方角も解らないし」
「大丈夫、なんとかなるよ」
ルークはティアにそう声をかけて水の音のする方へ歩く。
「!ティア、魔物がくる」
「えぇ」
ルークはさっとティアを庇って、猪のような魔物を凪ぐように切る。それはとても鮮やかだった。
「強いのね…」
「違ぇよ、俺は強くなんかない。ティアの方がよっぽど強いよ」
ルークは苦笑しながらいう。
「でも、強いわ」
「ありがとう、さーさくさく行くぞ!」
「えぇ」
川を下ると馬を休めている男にあった。
「首都まで乗せていってくれませんか?」
ティアが申し出ると男は料金は前払いだと言う。
「じゃあこ…」
「これじゃだめか?」
ひゅんと男にペーパーナイフが投げられる。きちんと鞘におさまったそれは見るだけで上物だと知れた。
「これなら」
男はペーパーナイフを懐にしまうと二人を馬車に案内した。
「ルーク、なんでペーパーナイフなんて持っていたの?」
「さぁ?着替えた時に紛れたんじゃねぇの?夜も遅ぇし寝ようぜ」
「そうね…おやすみなさい」
寝息をたてはじめたティアを見ながらルークは笑みを浮かべた。
「ティアのお母さんの形見だもんな、売る訳にはいかねぇよ」
ルークは自分も眠ろうと大きく一つ息を吐くと、目をつぶった。
……………………………………………………
「んー…よく寝た」
馬車の中でルークは大きく伸びをした。ティアはとっくに目を覚ましていたらしく窓の外を見ている。
《そこの辻馬車、道を開けなさい。巻き込まれますよ》
聞き覚えある声にルークは窓の外を見る。真っ白なタルタロスが馬車を追っているところだった。
「あれ、マルクト軍だよな」
「え?ここはキムラスカじゃないの!?」
ルークはのほほんとタルタロスを見ている。あまり必死性は感じられない。
「あ、橋落とされた。キムラスカ行けねぇな…おじさんここで下ろして、エンゲーブまで歩くから」
ルークは辻馬車の男にそう告げ、さっさとおりてしまう。
「ルーク、貴方あそこが何処か知っていたのね?」
「キムラスカにああいう渓谷ないしな。多分タタル渓谷だろうなとは思ってた。それに俺、屋敷に軟禁されてたから外の事あまり知らねぇし」
ルークはやる気なさそうに答える。しかし出てくる魔物は一発で仕留めたりして微妙にガルドは貯まりつつあったりする。
「ルーク、なんでそんなに戦い慣れているの?」
「んー?なんでだろ?体が勝手に動くんだよなー、よっと」
うねうねした魔物の攻撃を避けてルークはそれに剣を突き立てた。
「師匠との修業の成果かな?」
「…………」
ティアはじとりとルークを見たがエンゲーブが見えてきたので、口論を止めた。
……………………………………………………
「……………」
「…あぁ、さっき、陸艦で辻馬車追い掛けてたのにも関わらず間抜けにも逃げられた、ジェイド・カーティス大佐ね」
盗っ人とわざと間違えられたルークはローズ邸にいるジェイドと出会うができた。しばらく、ジェイドは押し黙った。
「貴方は?」
「ルークだ、こっちはティア。言っとくが漆黒の翼じゃねぇからな?漆黒の翼はあんたが取り逃がしてたろ?」
「先程の辻馬車に乗っていたんですか」
ジェイドは苦笑した。まるで、信託の盾の口の悪いあの少年のようだ。紅い髪の導師守護役。
「あぁ」
「その方は犯人ではありませんよ」
「イオ…」
「イオン!すっげー久しぶり覚えてるか?」
入ってきたイオンにルークは抱き着いた。ティアは思わず可愛いと口にしかけて、手で押さえた。男に可愛いは駄目だと以前ヴァンに言われたからだ。
「貴方は…」
「まぁ覚えて無いかもな、お前がうち来たの6年も前だし」
ルークは腕の中のイオンを放してイオンの手の中のものをみる。白い綿毛のようなそれは、獣の毛だ。
「あれ?チーグルの毛じゃん、イオン何処で拾って来たんだ?」
「あぁ、倉庫に落ちていました。結構な量が有りましたからチーグルが犯人でしょうね」
「ほらー、俺達無実じゃねーかよ!」
「すまなかったな」
「別に」
ルークは興味を無くしたのか、てくてくとローズ邸を出ていく。
「あの、貴方は…」
「聖なる焔の光、じゃあなイオン」
そう言い残してルークは扉を締めた。どうやら少し怒っているようだ。無理もない。知り合いに忘れられていたのなら。
「ルーク…ですか…」
「ジェイド」
「なんですか?イオン様」
「…いえなんでもありません」
イオンは安心させるように笑うと、ローズに倉庫の件について話し出した。
……………………………………………………
「パスタのレシピ」を手に入れました。とどっからともなく声が聞こえた気がしてルークは溜息を吐いた。
「どうしたの?ルーク」
「なんでもねぇよ、それよりもう宿戻んねぇ?疲れたし」
「そうね、食材も手に入ったし、今日は休みましょう」
ティアがルークの言葉に賛成して宿に戻るとツインテールの少女が宿屋の主人に話しを聞いているところだった。
「はぅー…イオン様どこいっちゃったんだろ」
「イオンならローズって人ん家だぜ、ジェイドも一緒に居るから」
「あ、本当ですか?ありがとうございます」
「アニス、トクナガ落としましたよ」
「へ…ありがとうございます。グレースさ…ってあれ?いない空耳かなぁ」
首を傾げてトクナガを拾い宿を出ていくアニスをルークはくすくす笑いながら見ている。ティアは呆れたように溜息をついた。
「ルーク…貴方最低ね」
「褒め言葉として受け取っとく」
「………」
そんなルークに絶句したティアは貴族ってみんなこんななのかしらと首を傾げた。
Next→チーグルの森
〈その後の宿で〉
「ルーク…なんでマニキュアなんて塗っているの?」
「爪が割れちまったからな。濃い色塗ればわかんねぇだろ?」
確かにその通りだが、何で黒なのだろうか。と思っているうちに左の薬指にだけ紅い模様が浮き出て来た。
「?」
「黒塗るとこの指だけこうなるんだ」
「不思議ね」
「だよなー」
そう言いつつルークは日記を広げる。古代イスパニア語の列ぶ日記にティアは首を傾げた。
「何故フォニック語で書かないの?」
「勉強の一環。使ってねぇと忘れるし」
「勤勉なのね」
「俺より勤勉なのなんて沢山いるだろ?それに綺麗だろ古代語は」
「そうね、貴方の名前みたいにね」
ティアは素で言ったのだろうがルークは思わず真っ赤になってしまった。
「も、もう寝ろよ!俺も日記書いたら寝るから」
「そうさせてもらうわ、おやすみなさい」
「おやすみ」
ルークは明かりを絞って日記を書く。日記というより小説のようなそれはまだ新しい。たまたま飛ばされる前の日に使い切ってしまったのだ。ルークの日記は二つ。一つは逆行前のものだ。
「行かなきゃな」
ルークはそういってこっそり窓から出て行った。
「ようやく見つけた、裏切り者ヴァンデスデルカ」
柔らかな歌声と共に現れた少女にルークは心を踊らせた。
「やはりお前か!ティア!」
ヴァンの叫ぶ声がする。ヴァンにとって彼女の登場は本当に予想外だったのだろう。ルークは心の中で少し笑って謝った。巻き込んでごめんねと。
「なんなんだよ、お前はぁーっ!」
「いかん、ティア、ルーク!」
「これは第七音素!?」
キーンという耳鳴り。ルークはローレライの力を感じた。意識が消える。次に目覚めるのはきっとタタル渓谷だ。
……………………………………………………
「ルーク、ルーク起きて」
ルークはティアに呼ばれ目を覚ました。夜の渓谷はセレニアの花が咲き誇っていて綺麗だ。
「大丈夫?怪我はない?」
「大丈夫だ、ここは?」
「ごめんなさい、わからないの」
「ティアのせいじゃないよ」
ルークは微笑んで言うが、ティアはびっくりしたようだ。
「なんで私の名前…」
「師匠が叫んでたし…」
「あぁ…それで」
ティアは納得したようで、ルークに手を貸して立ち上がらせる。
「っと、ありがとうティア」
「どう…いたしまして」
笑うルークにティアの顔は真っ赤だ。可愛いなぁ、初々しくてとルークはますます笑う。
「海沿いに行ったらバチカル帰れるかな?」
「そうね…でも方角も解らないし」
「大丈夫、なんとかなるよ」
ルークはティアにそう声をかけて水の音のする方へ歩く。
「!ティア、魔物がくる」
「えぇ」
ルークはさっとティアを庇って、猪のような魔物を凪ぐように切る。それはとても鮮やかだった。
「強いのね…」
「違ぇよ、俺は強くなんかない。ティアの方がよっぽど強いよ」
ルークは苦笑しながらいう。
「でも、強いわ」
「ありがとう、さーさくさく行くぞ!」
「えぇ」
川を下ると馬を休めている男にあった。
「首都まで乗せていってくれませんか?」
ティアが申し出ると男は料金は前払いだと言う。
「じゃあこ…」
「これじゃだめか?」
ひゅんと男にペーパーナイフが投げられる。きちんと鞘におさまったそれは見るだけで上物だと知れた。
「これなら」
男はペーパーナイフを懐にしまうと二人を馬車に案内した。
「ルーク、なんでペーパーナイフなんて持っていたの?」
「さぁ?着替えた時に紛れたんじゃねぇの?夜も遅ぇし寝ようぜ」
「そうね…おやすみなさい」
寝息をたてはじめたティアを見ながらルークは笑みを浮かべた。
「ティアのお母さんの形見だもんな、売る訳にはいかねぇよ」
ルークは自分も眠ろうと大きく一つ息を吐くと、目をつぶった。
……………………………………………………
「んー…よく寝た」
馬車の中でルークは大きく伸びをした。ティアはとっくに目を覚ましていたらしく窓の外を見ている。
《そこの辻馬車、道を開けなさい。巻き込まれますよ》
聞き覚えある声にルークは窓の外を見る。真っ白なタルタロスが馬車を追っているところだった。
「あれ、マルクト軍だよな」
「え?ここはキムラスカじゃないの!?」
ルークはのほほんとタルタロスを見ている。あまり必死性は感じられない。
「あ、橋落とされた。キムラスカ行けねぇな…おじさんここで下ろして、エンゲーブまで歩くから」
ルークは辻馬車の男にそう告げ、さっさとおりてしまう。
「ルーク、貴方あそこが何処か知っていたのね?」
「キムラスカにああいう渓谷ないしな。多分タタル渓谷だろうなとは思ってた。それに俺、屋敷に軟禁されてたから外の事あまり知らねぇし」
ルークはやる気なさそうに答える。しかし出てくる魔物は一発で仕留めたりして微妙にガルドは貯まりつつあったりする。
「ルーク、なんでそんなに戦い慣れているの?」
「んー?なんでだろ?体が勝手に動くんだよなー、よっと」
うねうねした魔物の攻撃を避けてルークはそれに剣を突き立てた。
「師匠との修業の成果かな?」
「…………」
ティアはじとりとルークを見たがエンゲーブが見えてきたので、口論を止めた。
……………………………………………………
「……………」
「…あぁ、さっき、陸艦で辻馬車追い掛けてたのにも関わらず間抜けにも逃げられた、ジェイド・カーティス大佐ね」
盗っ人とわざと間違えられたルークはローズ邸にいるジェイドと出会うができた。しばらく、ジェイドは押し黙った。
「貴方は?」
「ルークだ、こっちはティア。言っとくが漆黒の翼じゃねぇからな?漆黒の翼はあんたが取り逃がしてたろ?」
「先程の辻馬車に乗っていたんですか」
ジェイドは苦笑した。まるで、信託の盾の口の悪いあの少年のようだ。紅い髪の導師守護役。
「あぁ」
「その方は犯人ではありませんよ」
「イオ…」
「イオン!すっげー久しぶり覚えてるか?」
入ってきたイオンにルークは抱き着いた。ティアは思わず可愛いと口にしかけて、手で押さえた。男に可愛いは駄目だと以前ヴァンに言われたからだ。
「貴方は…」
「まぁ覚えて無いかもな、お前がうち来たの6年も前だし」
ルークは腕の中のイオンを放してイオンの手の中のものをみる。白い綿毛のようなそれは、獣の毛だ。
「あれ?チーグルの毛じゃん、イオン何処で拾って来たんだ?」
「あぁ、倉庫に落ちていました。結構な量が有りましたからチーグルが犯人でしょうね」
「ほらー、俺達無実じゃねーかよ!」
「すまなかったな」
「別に」
ルークは興味を無くしたのか、てくてくとローズ邸を出ていく。
「あの、貴方は…」
「聖なる焔の光、じゃあなイオン」
そう言い残してルークは扉を締めた。どうやら少し怒っているようだ。無理もない。知り合いに忘れられていたのなら。
「ルーク…ですか…」
「ジェイド」
「なんですか?イオン様」
「…いえなんでもありません」
イオンは安心させるように笑うと、ローズに倉庫の件について話し出した。
……………………………………………………
「パスタのレシピ」を手に入れました。とどっからともなく声が聞こえた気がしてルークは溜息を吐いた。
「どうしたの?ルーク」
「なんでもねぇよ、それよりもう宿戻んねぇ?疲れたし」
「そうね、食材も手に入ったし、今日は休みましょう」
ティアがルークの言葉に賛成して宿に戻るとツインテールの少女が宿屋の主人に話しを聞いているところだった。
「はぅー…イオン様どこいっちゃったんだろ」
「イオンならローズって人ん家だぜ、ジェイドも一緒に居るから」
「あ、本当ですか?ありがとうございます」
「アニス、トクナガ落としましたよ」
「へ…ありがとうございます。グレースさ…ってあれ?いない空耳かなぁ」
首を傾げてトクナガを拾い宿を出ていくアニスをルークはくすくす笑いながら見ている。ティアは呆れたように溜息をついた。
「ルーク…貴方最低ね」
「褒め言葉として受け取っとく」
「………」
そんなルークに絶句したティアは貴族ってみんなこんななのかしらと首を傾げた。
Next→チーグルの森
〈その後の宿で〉
「ルーク…なんでマニキュアなんて塗っているの?」
「爪が割れちまったからな。濃い色塗ればわかんねぇだろ?」
確かにその通りだが、何で黒なのだろうか。と思っているうちに左の薬指にだけ紅い模様が浮き出て来た。
「?」
「黒塗るとこの指だけこうなるんだ」
「不思議ね」
「だよなー」
そう言いつつルークは日記を広げる。古代イスパニア語の列ぶ日記にティアは首を傾げた。
「何故フォニック語で書かないの?」
「勉強の一環。使ってねぇと忘れるし」
「勤勉なのね」
「俺より勤勉なのなんて沢山いるだろ?それに綺麗だろ古代語は」
「そうね、貴方の名前みたいにね」
ティアは素で言ったのだろうがルークは思わず真っ赤になってしまった。
「も、もう寝ろよ!俺も日記書いたら寝るから」
「そうさせてもらうわ、おやすみなさい」
「おやすみ」
ルークは明かりを絞って日記を書く。日記というより小説のようなそれはまだ新しい。たまたま飛ばされる前の日に使い切ってしまったのだ。ルークの日記は二つ。一つは逆行前のものだ。
「行かなきゃな」
ルークはそういってこっそり窓から出て行った。
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