気まぐれにNL・BLetc.健全から危ないモノまで。
今のとこメインはDMCとTOA。
「…これがアリエッタのお母様…ですか…」
イオンは少々引き攣った笑みを浮かべた。それはそうだろう。目の前に居るのは己の身の丈のゆうに3倍はあろうかという《ライガクイーン》。アッシュも驚いていて声が出ないようだ。
「はじめまして、ライガクイーン…信託の盾騎士団特務師団、副師団長謙導師守護役のグレースです」
そんな中、グレースはライガクイーンもといライガママにのほほんと挨拶している。
「ママもグレースによろしくって」
久しぶりに母に会えたのが嬉しいのか、アリエッタははしゃいでいた。そんなアリエッタを見てアッシュとイオンも硬直が溶けたのか、ライガママに挨拶をした。
「じゃあ、お昼にしましょうか?」
「そうだな…導師、暫くアリエッタとここにいろ、直ぐ戻る。グレース」
「はい、ではアリエッタ、このシートを敷いて待っていてくださいね」
「アリエッタ、頑張る!…です」
アリエッタはグレースに微笑みかけると更に森の深い所に入って行く二人を見守った。二人が森の奥に入って行った理由は解っていたから。しばらくして二人はズルズルと何かを引きずって来た。何だか呻き声がする。
「新鮮な方がいいでしょうから生け捕りにしてきました」
二人が引きずってきたのは猪のようなモンスターだった。かなりの大物だ。
「じゃあお昼にしましょう。アリエッタ、シートありがとうございます」
グレースがアリエッタに微笑みかけると、アリエッタは「グレースもママみたい…」と言って抱き着いてきた。その場には微妙な空気が流れた。
……………………
「…どうしたの…ママ?」
ライガクイーンがアッシュとグレースの匂いを嗅いで首を傾げていた。理由をアリエッタが話す。
「アッシュとグレース、同じ匂いがするって…変だって」
「「…………」」
その言葉にグレースは固まり、アッシュは手に持っていた紙コップを握り潰してしまった。ちょうど飲み終わったところだったので、汚れはしなかったが。
『どうする?』
『今の段階だとまだ導師はヴァン側だが…』
『動物って凄いよな』
『あぁ』
二人が回線で遠い目をしながら話していると、アリエッタがお友達の様子を見に行ってくると言っていってしまった。
「グレース…あなたは自分がレプリカだと言いましたね」
「はい」
「あなたは…」
「導師、悪いが踏み込み過ぎだ。あんたがヴァン側にいるかぎり言えない」
「…預言の無い世界に反対なんですか?」
「違う。レプリカ世界に反対なんだ」
問うイオンにアッシュが首を振り答えた。
「導師が預言を嫌っているのは知っている」
「そして、私たちは預言のない世界を知っています。イオン様は自らの死を秘預言で知り預言に縛られた世界を壊したいのですか?」
「そうです。僕は預言の為に死ぬ…そう預言に書いてありました。だから僕は預言に制約を受けないレプリカ世界を作りたいのです」
「…レプリカイオンは俺に預言を詠んで乖離した。俺の目の前で…、もう一人のレプリカイオンは生まれたことを呪いながら死んでいった」
「何を…」
イオンは戸惑った。グレースの言っていることに、その声が変わったことに、仮面を外したその顔が…
「アッシュ…と同じ顔…」
「俺はレプリカルーク…愚かなレプリカ。…アッシュの…ルーク・フォン・ファブレのレプリカだ」
「ルーク、お前まだそんな事を」
「いいんだ、俺がレプリカなのは変わらないし、イオンは解ってくれると思うんだ。だって、俺達が戻ってきたのはより多くの人間を救う為だろ?」
ルークは苦笑しながらそう言った。その目はどこか悲しげで、逝った人々に思いを馳せている…そんな感じだった。
「…今、戻ってきたと言いましたね?」
「……あぁ、俺とこいつは別の未来で死んだ。ローレライに心遺りはないかと問われてな」
「だから救えなかった人達を救いたくて戻ってきたんだ」
目の前にいる自分もその対象に入っていることにイオンは驚いた。自分は直接〈ルーク〉と関わったことはないはずなのに。
「それに秘預言の通りになるの釈だし…だって死を詠んではいけない預言に俺達は死ぬとはっきり書かれていた、これってなんかおかしいだろ?」
「つまりあなたたちはレプリカ世界には反対だが、預言のない世界には反対ではないのですね」
二人は頷いて言う。
「レプリカ世界は沢山の人を犠牲にする」
「死ななくてもいい人達が…目の前で死んでいくのを見ているなんて、もうたくさんなんだ」
「アッシュもグレースも優しいんですね」
「優しいのはイオンだよ」
「導師、あんたがヴァンにこの事を言うつもりなら俺達は力付くでヴァンを止める。ローレライも開放する例え命を賭けても」
「幸せになって欲しいんだ」
そう笑うルークの笑顔はやっぱりどこか悲しげで、アッシュも悲しげな目をしていた。
「もう誰も死ぬところなんて見たくない」
「これは誰かの為じゃない、自分の為なんだ」
「勝てませんね、貴方達には」
「イオン?」
「言いませんよ、ヴァンには。確かにレプリカ世界は少々極端ではあると思っていましたし、レプリカ情報を抜くと死んでしまう人間もいると言います。アリエッタを死なせる訳にはいきませんからね」
イオンの世界は何処までもイオンとアリエッタを中心に回っているらしい。アッシュとルークが苦笑するとイオンは笑いながら言った。
「そのかわり、仲間ハズレは嫌ですからね」
その言葉にびっくりしたのか二人は顔を見合わせ、今度は笑って頷いた。
Next→マルクト・グランコクマ
「…成る程、僕のレプリカはそんな性格なんですか」
「はぃ…」
ルークは自室でイオンにレプリカイオンの事を説明していた。自室は自室でもバチカルのファブレ邸の自室である。同行者はアッシュとカンタビレ、ヴァンであったが、ヴァンは笑顔でイオンに締め出しをくらい、ここにはイオンとアッシュとカンタビレしかいなかった。因みにアッシュはヴァンの配慮でグレースと同じ仮面を付けていたが、今は外している。
「おしいですね、出来ればレプリカイオンにも生きていてほしい」
「そこは俺がどうにかしますよ導師」
「カンタビレは本当になんでもできますね」
「イオン様これローレライなんですよ」
「こらルーク、仮にもお父様にこれってなんですか」
「(いくらルークが第七音素で出来ているとはいえ、それは違うだろ…/汗)」
アッシュは心の中で思わず突っ込んだ。ルークはイオン相手にはどうしても〈グレース〉の口調になってしまうらしい。
「カンタビレがローレライなんですか?」
「うん、まぁね」
「ヴァンも哀れですね…自分の部下が消滅させたいローレライだなんて」
「アハハそうだねー」
絶対二人ともそう思っていないことはひを見るより明らかだったが、赤毛二人に突っ込む勇気はなかった。
イオンは少々引き攣った笑みを浮かべた。それはそうだろう。目の前に居るのは己の身の丈のゆうに3倍はあろうかという《ライガクイーン》。アッシュも驚いていて声が出ないようだ。
「はじめまして、ライガクイーン…信託の盾騎士団特務師団、副師団長謙導師守護役のグレースです」
そんな中、グレースはライガクイーンもといライガママにのほほんと挨拶している。
「ママもグレースによろしくって」
久しぶりに母に会えたのが嬉しいのか、アリエッタははしゃいでいた。そんなアリエッタを見てアッシュとイオンも硬直が溶けたのか、ライガママに挨拶をした。
「じゃあ、お昼にしましょうか?」
「そうだな…導師、暫くアリエッタとここにいろ、直ぐ戻る。グレース」
「はい、ではアリエッタ、このシートを敷いて待っていてくださいね」
「アリエッタ、頑張る!…です」
アリエッタはグレースに微笑みかけると更に森の深い所に入って行く二人を見守った。二人が森の奥に入って行った理由は解っていたから。しばらくして二人はズルズルと何かを引きずって来た。何だか呻き声がする。
「新鮮な方がいいでしょうから生け捕りにしてきました」
二人が引きずってきたのは猪のようなモンスターだった。かなりの大物だ。
「じゃあお昼にしましょう。アリエッタ、シートありがとうございます」
グレースがアリエッタに微笑みかけると、アリエッタは「グレースもママみたい…」と言って抱き着いてきた。その場には微妙な空気が流れた。
……………………
「…どうしたの…ママ?」
ライガクイーンがアッシュとグレースの匂いを嗅いで首を傾げていた。理由をアリエッタが話す。
「アッシュとグレース、同じ匂いがするって…変だって」
「「…………」」
その言葉にグレースは固まり、アッシュは手に持っていた紙コップを握り潰してしまった。ちょうど飲み終わったところだったので、汚れはしなかったが。
『どうする?』
『今の段階だとまだ導師はヴァン側だが…』
『動物って凄いよな』
『あぁ』
二人が回線で遠い目をしながら話していると、アリエッタがお友達の様子を見に行ってくると言っていってしまった。
「グレース…あなたは自分がレプリカだと言いましたね」
「はい」
「あなたは…」
「導師、悪いが踏み込み過ぎだ。あんたがヴァン側にいるかぎり言えない」
「…預言の無い世界に反対なんですか?」
「違う。レプリカ世界に反対なんだ」
問うイオンにアッシュが首を振り答えた。
「導師が預言を嫌っているのは知っている」
「そして、私たちは預言のない世界を知っています。イオン様は自らの死を秘預言で知り預言に縛られた世界を壊したいのですか?」
「そうです。僕は預言の為に死ぬ…そう預言に書いてありました。だから僕は預言に制約を受けないレプリカ世界を作りたいのです」
「…レプリカイオンは俺に預言を詠んで乖離した。俺の目の前で…、もう一人のレプリカイオンは生まれたことを呪いながら死んでいった」
「何を…」
イオンは戸惑った。グレースの言っていることに、その声が変わったことに、仮面を外したその顔が…
「アッシュ…と同じ顔…」
「俺はレプリカルーク…愚かなレプリカ。…アッシュの…ルーク・フォン・ファブレのレプリカだ」
「ルーク、お前まだそんな事を」
「いいんだ、俺がレプリカなのは変わらないし、イオンは解ってくれると思うんだ。だって、俺達が戻ってきたのはより多くの人間を救う為だろ?」
ルークは苦笑しながらそう言った。その目はどこか悲しげで、逝った人々に思いを馳せている…そんな感じだった。
「…今、戻ってきたと言いましたね?」
「……あぁ、俺とこいつは別の未来で死んだ。ローレライに心遺りはないかと問われてな」
「だから救えなかった人達を救いたくて戻ってきたんだ」
目の前にいる自分もその対象に入っていることにイオンは驚いた。自分は直接〈ルーク〉と関わったことはないはずなのに。
「それに秘預言の通りになるの釈だし…だって死を詠んではいけない預言に俺達は死ぬとはっきり書かれていた、これってなんかおかしいだろ?」
「つまりあなたたちはレプリカ世界には反対だが、預言のない世界には反対ではないのですね」
二人は頷いて言う。
「レプリカ世界は沢山の人を犠牲にする」
「死ななくてもいい人達が…目の前で死んでいくのを見ているなんて、もうたくさんなんだ」
「アッシュもグレースも優しいんですね」
「優しいのはイオンだよ」
「導師、あんたがヴァンにこの事を言うつもりなら俺達は力付くでヴァンを止める。ローレライも開放する例え命を賭けても」
「幸せになって欲しいんだ」
そう笑うルークの笑顔はやっぱりどこか悲しげで、アッシュも悲しげな目をしていた。
「もう誰も死ぬところなんて見たくない」
「これは誰かの為じゃない、自分の為なんだ」
「勝てませんね、貴方達には」
「イオン?」
「言いませんよ、ヴァンには。確かにレプリカ世界は少々極端ではあると思っていましたし、レプリカ情報を抜くと死んでしまう人間もいると言います。アリエッタを死なせる訳にはいきませんからね」
イオンの世界は何処までもイオンとアリエッタを中心に回っているらしい。アッシュとルークが苦笑するとイオンは笑いながら言った。
「そのかわり、仲間ハズレは嫌ですからね」
その言葉にびっくりしたのか二人は顔を見合わせ、今度は笑って頷いた。
Next→マルクト・グランコクマ
「…成る程、僕のレプリカはそんな性格なんですか」
「はぃ…」
ルークは自室でイオンにレプリカイオンの事を説明していた。自室は自室でもバチカルのファブレ邸の自室である。同行者はアッシュとカンタビレ、ヴァンであったが、ヴァンは笑顔でイオンに締め出しをくらい、ここにはイオンとアッシュとカンタビレしかいなかった。因みにアッシュはヴァンの配慮でグレースと同じ仮面を付けていたが、今は外している。
「おしいですね、出来ればレプリカイオンにも生きていてほしい」
「そこは俺がどうにかしますよ導師」
「カンタビレは本当になんでもできますね」
「イオン様これローレライなんですよ」
「こらルーク、仮にもお父様にこれってなんですか」
「(いくらルークが第七音素で出来ているとはいえ、それは違うだろ…/汗)」
アッシュは心の中で思わず突っ込んだ。ルークはイオン相手にはどうしても〈グレース〉の口調になってしまうらしい。
「カンタビレがローレライなんですか?」
「うん、まぁね」
「ヴァンも哀れですね…自分の部下が消滅させたいローレライだなんて」
「アハハそうだねー」
絶対二人ともそう思っていないことはひを見るより明らかだったが、赤毛二人に突っ込む勇気はなかった。
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