気まぐれにNL・BLetc.健全から危ないモノまで。
今のとこメインはDMCとTOA。
アッシュは今、もの凄くうろたえていた。何にかと言えば至極明解。カンタビレが連れて来たアッシュの補佐役(自称)の少年にだ。
「『はじめまして』アッシュ。グレースと言います。よろしく」
どう聞いた所でルークの声だ。と言っても喋り方が違うので大分違った印象を受ける。おそらくヴァン辺りは気付けないだろう。それに音譜帯に居た頃ルークは声帯模写を見よう見真似で習得していた。この声は『レム』の声だ。腰でクロスするように二本の剣をさしている。
「…はじめまして……グレース」
そういってアッシュもグレースに手を差し出した。そのまま強く握って抱き寄せる。正直な所、顔の仮面は大変邪魔だ。
『なにしてんた、屑。こんなとこで』
『だってアッシュに先手打たれたから仕返し。ちゃんと勉強はしたよ』
実際ルークと別れて行動し始めてから半年が経っている。ルークはもの覚えが早いので、本当に半年で基礎はマスターしたのだろう。この分だと、時間があまって他の専門知識迄習得していそうだ。
「よろしくお願いしますね、アッシュ。あ、ラルゴは何処にいますか?」
ルークは手に大きな板を抱えている。
「今は自室にいるはずだ。何か用でもあるのか?」
『ディストの次はラルゴ丸め込むんだ』
アッシュはルークの手の中の物を見て成る程と言った。ルークが持っていたのはナタリアの肖像画であった。
…………………………………………………………………………………………………………
ラルゴはとても困っていた。それはグレースという少年(なんでもアッシュの補佐官らしい)が置いて行った、キムラスカ・ランバルディアの王女、ナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディアの肖像画だった。グレースもアッシュもラルゴの事情を知っているようで、ニッコリ笑って「受け取れ」と言ってきたのだ。
「アッシュ…笑い方がカンタビレに似てきたな…」
何だか底の見えない黒い笑みだ。導師イオンもよくやる。特にアリエッタを虐めた人間には容赦ない。とても病気には見えない感じだ。実際に病気かどうかはモースしか知らないのだが。
「メリル…」
母親に似てとてもかわいらしい少女の肖像画をラルゴはぎゅっと抱きしめると、それを壁に掛けた。グレースは定期的にナタリアの近況を聞かせるとも言い残していた。この際そのことばに甘える事にしよう。で、二人がヴァンを虐めて(?)遊んでいるのにも目をつぶることにした。何事も首を突っ込み過ぎるのはいけないのだ。
後日、ヴァンが持ってきたグレース用の軍服にアッシュがキレてヴァンはしこたま殴られていたが、ラルゴはそれは見なかった事にした。あれはヴァンが悪い。
Next→ダアト・ローレライ教団総本山
「グレース、アッシュの補佐役用の軍服を用意した」
そう言ってアッシュの隣を歩くグレースをヴァンが呼び止めたのは二人が肩慣らしにこっそりザレッホ火山に忍び込んで魔物退治をしてきた帰りであった。因みにグレースはカンタビレの『弟子』であるためヴァンは無条件でアッシュの隣にいることを許している。カンタビレは《大詠師派》ではないが、仕事はとても出来るし、アッシュはカンタビレに懐いて(?)いて、その弟子のグレースとも面識があるようだった。それに信託の盾にはアッシュと同年代の兵士は少ない。友人にもピッタリだと判断したらしい。
「ラインはアッシュの髪の色で《私》が作ったが」
アッシュは物凄く嫌な予感がした。ルークはよく解らずキョトンとしている。ルークはコーラル城のあの部屋がヴァンの仕業だとは知らないのだ。因みにあのあとアッシュが知ったのは六神将の軍服は全てヴァンが一つ一つ手縫いで仕上げた代物だったということだ。仕上がっていないときはアッシュは他の信託の盾兵と同じような物を着ていたのだが、やはり着慣れたものの方が落ち着く。その時聞いて後悔したのだった。知りたくなかったと。
「グレースも脚のラインが綺麗だからニーハイブーツも用意した」
「もってなんだもって」
「お前の脚も綺麗だろう」
ヴァンの変態臭い発言にアッシュはぞっとしながら、隣に居るルークを見た。ルークはアッシュの脚を見て「確かに綺麗な脚線美ですよね」とか言っている。
「採寸を合わせたいから着替えなさい」
ヴァンはそう言って何処からともなくお着替えボックスを取り出した。
「……ここで…ですか?」
「嫌なら部屋で着替えてきなさい」
そう言うとヴァンはルークに軍服の入った袋を渡すと直ぐ近くにある《グレースに与えられた私室》を指した。
「…わかりました。アッシュ、直ぐ戻ってきますから」
『ヴァンでも虐めて待ってて』
「…あぁ」
回線で囁かれた言葉に、アッシュは頷くと、ルークを見送った。
========================================
暫くして、ルークがまた回線を繋いできた。
『どうした』
『…ぅん…、アッシュ…出てきてもビックリしないでね』
カチャリとドアノブの回る音がして、ルークが部屋から出てきた。アッシュはルークを見た瞬間ボッとまるで顔から火が出るくらい真っ赤になった。
「グレース、キツイ所はないか」
「大丈夫です」
ルークの心の中のカッコイイヴァン師匠像は完璧に崩壊していた。個人的にはこの服装は大問題だが、隠密活動するにはこちらの方がグレース=ルークだとばれにくいといったらばれにくい。
「うむ、私の目に狂いはなかった」
「100%狂ってんじゃねーか!屑がぁー!」
アッシュによるエクスプロードがヴァンに直撃した。ヴァンがルークに渡したのは、「アリエッタの軍服に近い物+スパッツ+アッシュの外套に似た物+ニーハイブーツ」完璧に変態だ。アッシュはエクスプロードが命中した後もヴァンの襟首を掴んで顔をたこ殴りにしていた。
「お前も何か言え!」
「はい。ヴァン総長がこんなに変態だとは思いませんでした。アッシュ、こんな人間としてダメな総長は置いておいて、カンタビレの所に行きましょう。アッシュの手が汚れます」
ヴァンはアッシュにかけられたエクスプロードと暴力よりもルークの言葉の方が堪えたらしい。ルークは証拠隠滅のため一応ヴァンにキュアをかけるとアッシュを連れて何事もなかったかのように去って行った。
その後、ルークはこの軍服を断って更に凄いのがきたら嫌なので、素直に着ることにしたのだが、アッシュは何時も渋い顔をしていたと言う。
「『はじめまして』アッシュ。グレースと言います。よろしく」
どう聞いた所でルークの声だ。と言っても喋り方が違うので大分違った印象を受ける。おそらくヴァン辺りは気付けないだろう。それに音譜帯に居た頃ルークは声帯模写を見よう見真似で習得していた。この声は『レム』の声だ。腰でクロスするように二本の剣をさしている。
「…はじめまして……グレース」
そういってアッシュもグレースに手を差し出した。そのまま強く握って抱き寄せる。正直な所、顔の仮面は大変邪魔だ。
『なにしてんた、屑。こんなとこで』
『だってアッシュに先手打たれたから仕返し。ちゃんと勉強はしたよ』
実際ルークと別れて行動し始めてから半年が経っている。ルークはもの覚えが早いので、本当に半年で基礎はマスターしたのだろう。この分だと、時間があまって他の専門知識迄習得していそうだ。
「よろしくお願いしますね、アッシュ。あ、ラルゴは何処にいますか?」
ルークは手に大きな板を抱えている。
「今は自室にいるはずだ。何か用でもあるのか?」
『ディストの次はラルゴ丸め込むんだ』
アッシュはルークの手の中の物を見て成る程と言った。ルークが持っていたのはナタリアの肖像画であった。
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ラルゴはとても困っていた。それはグレースという少年(なんでもアッシュの補佐官らしい)が置いて行った、キムラスカ・ランバルディアの王女、ナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディアの肖像画だった。グレースもアッシュもラルゴの事情を知っているようで、ニッコリ笑って「受け取れ」と言ってきたのだ。
「アッシュ…笑い方がカンタビレに似てきたな…」
何だか底の見えない黒い笑みだ。導師イオンもよくやる。特にアリエッタを虐めた人間には容赦ない。とても病気には見えない感じだ。実際に病気かどうかはモースしか知らないのだが。
「メリル…」
母親に似てとてもかわいらしい少女の肖像画をラルゴはぎゅっと抱きしめると、それを壁に掛けた。グレースは定期的にナタリアの近況を聞かせるとも言い残していた。この際そのことばに甘える事にしよう。で、二人がヴァンを虐めて(?)遊んでいるのにも目をつぶることにした。何事も首を突っ込み過ぎるのはいけないのだ。
後日、ヴァンが持ってきたグレース用の軍服にアッシュがキレてヴァンはしこたま殴られていたが、ラルゴはそれは見なかった事にした。あれはヴァンが悪い。
Next→ダアト・ローレライ教団総本山
「グレース、アッシュの補佐役用の軍服を用意した」
そう言ってアッシュの隣を歩くグレースをヴァンが呼び止めたのは二人が肩慣らしにこっそりザレッホ火山に忍び込んで魔物退治をしてきた帰りであった。因みにグレースはカンタビレの『弟子』であるためヴァンは無条件でアッシュの隣にいることを許している。カンタビレは《大詠師派》ではないが、仕事はとても出来るし、アッシュはカンタビレに懐いて(?)いて、その弟子のグレースとも面識があるようだった。それに信託の盾にはアッシュと同年代の兵士は少ない。友人にもピッタリだと判断したらしい。
「ラインはアッシュの髪の色で《私》が作ったが」
アッシュは物凄く嫌な予感がした。ルークはよく解らずキョトンとしている。ルークはコーラル城のあの部屋がヴァンの仕業だとは知らないのだ。因みにあのあとアッシュが知ったのは六神将の軍服は全てヴァンが一つ一つ手縫いで仕上げた代物だったということだ。仕上がっていないときはアッシュは他の信託の盾兵と同じような物を着ていたのだが、やはり着慣れたものの方が落ち着く。その時聞いて後悔したのだった。知りたくなかったと。
「グレースも脚のラインが綺麗だからニーハイブーツも用意した」
「もってなんだもって」
「お前の脚も綺麗だろう」
ヴァンの変態臭い発言にアッシュはぞっとしながら、隣に居るルークを見た。ルークはアッシュの脚を見て「確かに綺麗な脚線美ですよね」とか言っている。
「採寸を合わせたいから着替えなさい」
ヴァンはそう言って何処からともなくお着替えボックスを取り出した。
「……ここで…ですか?」
「嫌なら部屋で着替えてきなさい」
そう言うとヴァンはルークに軍服の入った袋を渡すと直ぐ近くにある《グレースに与えられた私室》を指した。
「…わかりました。アッシュ、直ぐ戻ってきますから」
『ヴァンでも虐めて待ってて』
「…あぁ」
回線で囁かれた言葉に、アッシュは頷くと、ルークを見送った。
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暫くして、ルークがまた回線を繋いできた。
『どうした』
『…ぅん…、アッシュ…出てきてもビックリしないでね』
カチャリとドアノブの回る音がして、ルークが部屋から出てきた。アッシュはルークを見た瞬間ボッとまるで顔から火が出るくらい真っ赤になった。
「グレース、キツイ所はないか」
「大丈夫です」
ルークの心の中のカッコイイヴァン師匠像は完璧に崩壊していた。個人的にはこの服装は大問題だが、隠密活動するにはこちらの方がグレース=ルークだとばれにくいといったらばれにくい。
「うむ、私の目に狂いはなかった」
「100%狂ってんじゃねーか!屑がぁー!」
アッシュによるエクスプロードがヴァンに直撃した。ヴァンがルークに渡したのは、「アリエッタの軍服に近い物+スパッツ+アッシュの外套に似た物+ニーハイブーツ」完璧に変態だ。アッシュはエクスプロードが命中した後もヴァンの襟首を掴んで顔をたこ殴りにしていた。
「お前も何か言え!」
「はい。ヴァン総長がこんなに変態だとは思いませんでした。アッシュ、こんな人間としてダメな総長は置いておいて、カンタビレの所に行きましょう。アッシュの手が汚れます」
ヴァンはアッシュにかけられたエクスプロードと暴力よりもルークの言葉の方が堪えたらしい。ルークは証拠隠滅のため一応ヴァンにキュアをかけるとアッシュを連れて何事もなかったかのように去って行った。
その後、ルークはこの軍服を断って更に凄いのがきたら嫌なので、素直に着ることにしたのだが、アッシュは何時も渋い顔をしていたと言う。
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